社会に役に立つかどうかだけで判断する数値化・競争主義の行き着く先はどこなのか? ここでは、優れた子孫を残すことで社会集団を強化しようとする「優生思想」について解説。大阪大学人間科学研究科教授の村上靖彦氏の新刊『客観性の落とし穴』より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む) ◆◆◆ 数値化・競争主義は、人間を社会にとって役に立つかどうかで序列化する。その序列化は集団内の差別を生む。その最終的な帰結が優生思想と呼ばれるものである。優生思想とは、優れた子孫を残すことで社会集団を強化しようとする思想だ。裏返すと「劣った」とされる人が差別され、子どもが産めないように手術され、場合によっては殺されることをもよしとする思想である。 北海道江差町の社会福祉法人「あすなろ福祉会」(樋口英俊理事長)が運営するグループホームで、知的障害があるカップルらが結婚や同居を希望する場合、男性はパイプカット
![「殺すべき者がいれば殺すのも致し方がありません」“相模原19人殺害の植松聖死刑囚”が陥った「優生思想」が決して他人事ではない理由 | 文春オンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ec875d4c9da7b190c1a532148bf33586cafcb5d3/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbunshun.jp%2Fmwimgs%2Fd%2F3%2F1200wm%2Fimg_d3746be22e5cac95882bcdcbd847e583122601.jpg)