70年代ニューヨーク。ゲイの出会い場、麻薬密輸、売春の場だった埠頭の無法倉庫を撮影した、アルバン・バルトロップの写真集『The Piers』。この中に、ゴードン・マッタ=クラークの代表作のひとつが偶然にも残されています。廃墟となった倉庫の壁に三日月のような穴を切り開き、その穴が取り込む光は、忘れさられた陰に突き刺さり、荒廃した社会の窓となります。無断で穴を開けたため逮捕状が出され、彼はパリに飛びます。世の中の視点を変えるべき、確固たる信念を持つアーティストの芸術が街に溶け込んだ様の美しい1ページが現れます。 現在、東京都国立近代美術館で開催中の「ゴードン・マッタ=クラーク」展(〜2018年9月17日まで開催)では、そんな彼が手掛けた建築、食、パフォーマンスなどの題材から、2018年の今、グローバル化された都市との理想的な関わり方の提示を読み取ることができます。大がかりで、時に暴力的な手段で
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