巨大さについて 巨大さというテーマについて、まず筆者の著作『新宗教と巨大建築』(講談社、2001年)から話を始めたい。博士論文をもとに書かれたこの本では、実は当初、論文と同じタイトルの「新宗教と建築」になるはずだった。しかし、印刷を間近に控え、確か営業部からの意見だったと記憶しているが、「巨大」の二文字を入れたいという要望が伝えられた。言うまでもなく、その方が書名はインパクトをもち、売上げに貢献するからという判断である。筆者は即答せず、二、三日ほど悩んでから、結局、この提案を受け入れることにしたが、専門書ではなく、新書という多くの人が手にとるタイプの本では、やはりこの方が注目されやすいのだろう。むろん、やや品がないこの言葉には、一般の人がなんとなく抱いている、新宗教はいかがわしいもの、というステレオタイプのイメージを呼び起こすはずだ。もっとも、この本では、きわめて真面目に新宗教の建築を分析
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