日本に住んでいると、水が輸出で稼げる資源であることを、忘れてしまいそうになる。飲料水の輸出の話ではない。エネルギー資源として見た水、つまり水力発電の話である。 石炭などはあったにしても、エネルギー資源に乏しい日本では、明治時代から水力発電を熱心に取り入れている。流通インフラが整っていない当時の日本では、内陸部の工業地域への石炭輸送のコストが高かったため、険峻な地形を利用できる水力発電が注目されたという事情もあるし、燃料輸入に頼らない国産エネルギーとして、有事の際でも安定供給できるというメリットが考慮された面もある。 しかし、日本では国際的な視点で、水力発電を考えることが少ないように思う。周囲を海に囲まれた日本では、水力発電による電力を海外に輸出または輸入するようなこともなかったため、致し方ないと言えば致し方ないのだが。 「産電国」という夢と現実 世界を見ると、水力発電による電力を国外に輸出