2022年11月11日、新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』が公開された。前作『天気の子』から、実に3年と四半期ぶりの作品である。このタイミングで監督が何を形にし、何を伝えようとしたのか、できる限り言語化を試みる。 本作は『天気の子』のレビューに記したような、確固たる結論には至らない。「いい話」ではあるが、そんなに「単純な話」ではないし、評価も加点法と減点法でかなり揺れる。それでも、相当な覚悟で作られた挑戦的な内容であることが分かった。そのため、鑑賞する前の予習編と鑑賞後の復習編に分けて情報を整理してみたいと思う。 本編を未視聴の方は予習編だけでも読んでほしい。何の事前情報も入れずに素の状態で観たい場合は、ここで閉じてしまって構わない。 予習編『すずめの戸締まり』を鑑賞する前に押さえておきたいポイント 本作品は、何も知らない状態で鑑賞しても楽しめる内容だが、事前にいくつかのポイントを押さ