わたしたちは、自らを「かっぺ」と定義する集団です。え?かっぺ?何それ?と戸惑う人も多いでしょう。「かっぺ」ということばは、今ではもうほとんど聞かれることがなくなりました。もともとは「いなかっぺ」を短縮したことばです。就職や進学などで大都市、特に東京に出てきたものの、田舎じみた振る舞いが抜けきれない地方出身者を揶揄する意味で使われてきました。一般的に「かっぺ」とは他人を侮辱することばであり、たとえ地方出身者だとしても「かっぺ」のレッテルを不快に感じ、拒否するのが普通でしょう。 一方で、東京に出てきた地方出身者は、それまでのことばや習慣を忘れ、東京のことば(標準語)や都市の価値観に順応することを強いられてきました。積極的に同化しようとした者、やむをえずそうした者、あるいはそれに抵抗した者、さまざまいるでしょうが、構造としては、訛や田舎しい態度を取らず、いかにも都会的なことばを話し、都会的な振る