ナスカピ・インディアンは、毎日どっちの方向へ狩りに出かけるかを決めるのに、戦略会議を開いたり、マーケティング・リサーチを行ったりしない。 それどころか、情報を集めたり、過去の経験に照らして考えることすらもしない。 彼らはある動物の肩胛骨を火にかざすことで答えを得る。 ナスカピ・インディアンの長老は、肩胛骨にあらわれたヒビを“読み”、その神意を狩人たちに伝える。 狩人たちは、その方向へ出かけていく。 この方法にはいくつかの利点がある(よって現代まで生き残っている)。 まず、この「意志決定」は、純粋な意味で個人の選択でも、集団の選択でもない。 だからたとえ獲物が見つからなくても、誰も責められない。 責められるとしたら、神様が責められる。 第2に、この決定方法は、過去の狩りの影響を受けない。 この場合、彼らが過去の狩りの結果に影響されたとすると、彼らはなんども獲物を捉えた場所へと向かい、動物とい