やられた! 目次を開いて、そう思った。 ふだんから思い、授業などでも力説してきたことが、みごとにまとめられている。 文は短く、一度にたくさんのことを言わない、文の形をシンプルにする、文の前半と後半を噛み合わせる、いきなり核心に入るなどなど、文章を書く上での基本的な注意点が、例文とともに解説されている。 阿部紘久著『文章力の基本 ~簡単だけど、だれも教えてくれない 77のテクニック~』(日本実業出版社)という本だ。 もっとも、いくら水泳のハウツー本を読んでも泳げるようにならないのと同様、この本を読むだけでは上達しないだろう。本書を参考にしつつ、たくさん文章を書き、それを他人に読んでもらうことが欠かせない。 だから、「教室」での添削指導が不要になることはない。 著者の目論見は、「企業内で若い日地を指導している中間管理職の方や、学校で文章指導をしている先生方の負担も軽減されること」である。