東日本大震災の津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松に震災遺族らのメッセージを記して京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が、放射能汚染を懸念する声を受けて中止されることになった。メッセージが書かれたまき約350本は陸前高田市内で保管されており、現地入りしている「大文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長らが8日夜、精霊の「迎え火」として燃やす。しかし、京都市には市民から中止を批判する声も多数寄せられている。【成田有佳、古屋敷尚子、入江直樹】 保存会は遺族らのメッセージを写真に撮り、後日、別の護摩木に書き写して「送り火」で使用するという。 計画は大分市の美術家、藤原了児さん(61)が発案し、松原理事長に相談したのがきっかけ。藤原さんが震災後に知り合った陸前高田市の旅館経営、鈴木繁治さん(66)がまき集めやメッセージの呼びかけを担った。 計画が報道された6月末以降、京都市や関係