本研究のポイント がんなどに関与する遺伝子として知られている「Tob遺伝子」が、抑うつ、恐怖、不安を軽減する重要な役割を果たすことが研究で明らかになった。 本研究では、マウスを用いて細胞生物学と神経科学の実験を行った。 Tob遺伝子が脳の海馬で働くと、恐怖や抑うつを軽減する重要な役割を果たすことが判明した。しかし、不安は軽減しないため、脳の別の部分でも働いていると考えられた。 通常のマウスは、恐怖の記憶を思い出す場所に連日置かれると恐がらなくなるが、Tob遺伝子を持たないマウスは、数日経っても身動きを取ることができず、強い恐怖を感じつづけていることがわかった。 研究チームは、抑うつ、恐怖、不安に対するTob遺伝子の役割が明らかになれば、精神的ストレスに対する治療法の開発に大きく貢献すると考えている。 プレスリリース 1996年、山本雅教授が当時所属していた国内の研究室でTob遺伝子が初めて
![“飛ぶ”遺伝子が抑うつ、恐怖、不安に密接に関係](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/120fe2a8291aaa98191ec16751a5084ba3698278/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.oist.jp%2Fsites%2Fdefault%2Ffiles%2Fstyles%2Fopen_graph%2Fpublic%2F2022-09%2F202208-TobGene-headerImage2_0.jpg%3Fh%3Dc9b4fd43%26itok%3DE3laDtMV)