昨年12月27日にフジテレビが放送した『報道スクープSP 激!世紀の大事件V』という番組では、和歌山カレー事件で死刑判決を受けた林眞須美死刑囚の長男に取材したうえで「林眞須美の長男が真相告白」と銘打った放送がなされた。 しかし、その放送内容は事実関係に間違いが多いばかりか、虚偽の事実を担造したとみなすほかない場面や、事実を歪める編集がなされたとみなすほかない場面も散見された。 前編では、この番組の和歌山カレー事件に関する放送の6つの問題場面のうち、4つについて検証結果を報告した。後編では、残り2つの問題場面とフジテレビ側の主張について報告する。 ◆問題場面5 長男が林死刑囚を犯人視し、動機を知りたがっていると思わせる編集 5つ目の問題場面は、番組の放送が始まって38分を過ぎたあたりで現れる。それは次のような場面だ。 夜の公園でインタビューを受けている長男。「それにしても長男はなぜ私たちの取