全世界が停滞した2020年から、「hyperpop(ハイパーポップ)」という音楽シーンが沸き上がっている。 Google Trendより「hyperpop」の検索数(全世界) インターネットを媒介に今も白熱するhyperpopがユニークであるのは、活躍するアーティストのほとんどが10代から20代の若者であり、とりわけ中心的な役割を果たしているのがLGBTQ+を自認する性的マイノリティだという点だ。 そこで志向される音楽性は、既存世界の音楽表現を集約・衝突させ、砕け散った残骸を「ポップ」として構成するというもの。 この実験的な音楽が若者に熱狂を生んでいるのは、はたして瞬間的な狂乱なのか、それとも新たな音楽ジャンルの門出なのか?(※1) 日本のインターネット音楽で中核的な役割を果たすtomad氏は、「全容は分からないけど、とにかく面白いことが起きているように見える」と語る。 本稿ではこの新興の