比較認知科学的な視点から(サルとの比較)。 (2002.3.19~20) 参考図書:『自己の起源-比較認知科学からのアプローチ』(板倉昭二著/金子書房) ここでは、サルに『心の理論』があるかどうかを検証することで、自閉症児者の『心の理論』問題を解明しようというのではありません。ここでこの本を取り上げるのは、「そもそも『心の理論』とは何か?」を分かりやすくするためです。 どうやら、『心の理論』という言葉は、1978年にプレマックとウッドラフという人が書いた「チンパンジーは心の理論を持つか?」という論文で始めて使われたもので、その内容は、「チンパンジーは、人の欲求を理解することができるかどうか?」を調べるための実験の報告でした。論文の結論は、「チンパンジーは、ヒトよりは弱い心の理論を持っている。」というもので、その後、ヒト幼児の発達心理学の分野での研究が盛んに行われるようになったそうです。(自