日本ではアベノミクス以降景気が好転したとされ、最低賃金も毎年少しずつ上昇している。それにもかかわらずGDP(国内総生産)の成長率は伸び悩んだままで、相次ぐ商品やサービスの値上げや、国民所得の半分近くを占める税金や社会保険料の国民負担率(2022年度は47.5%)などにより、実質賃金はむしろ悪化しているという声もある。 この記事では日本で働く労働者の賃金が上がらない理由について、国や業界団体などの動きとともに過去記事から紹介していく。 新賃金制度、副業挑戦…「令和の所得増加作戦」の今 国民が景気回復を実感するには「所得増加」が不可欠だ。国はもちろん、企業や個人も所得の増加に向けた取り組みを行っている。その中には非正規労働者の処遇改善や副業などが含まれるが、新型コロナウイルス禍による業績の悪化や個人の体調不良など、様々な要因により所得増加の「限界」にぶつかっているケースが多いという。