経済発展著しい中国において、“日本の味”であるラーメンが人気を博している。なかでも人気を牽引しているのが、中国で450店舗を展開し、2010年に中国料理協会が発表した中国ファーストフード企業トップ50のなかで第4位に選ばれた「味千ラーメン」だ。今や、中国で最大の店舗数を展開している日本の外食チェーンである。 「味千ラーメン…?」と首をかしげる方もいらっしゃるかもしれない。それもそのはず。同社は中国でこそマクドナルドやケンタッキーと肩を並べるファーストフードチェーンであり、約1万人もの社員を抱えている。それに対して、日本の社員はわずか80名ほど。店舗も全国各地にあるとはいえ、その多くは熊本県を中心とした九州地区に集中しているため、日本人でも馴染みの薄い人が少なくないからだ。 では、熊本県の小さなラーメン屋だった味千ラーメンが、なぜ中国で大きな成功を収めることができたのだろうか。味千ラーメンを