質量の基準として、130年間使われてきた「国際キログラム原器」が19日、引退する。1キロの重さを定めた白金の分銅で、日本を含む世界各国に40個が配られ、摩耗したり、汚れがついたりしないよう厳重に保管されてきた。20日からは、より高精度の新しい定義が基準として使われる。 1キログラムは元々、水1リットルの重さのことだったが、蒸発したり、温度によって体積が変わったりして精密に測ることが難しい。そこでキログラム原器が導入された。 40個が1888年ごろに作られた。日本には6番目が配られ、現在は茨城県つくば市の産業技術総合研究所(産総研)にある。パリ郊外の国際度量衡局の地下金庫にある国際原器と30~40年に1度、比べられ、ばらつきを補正してきた。 原器は当初、精度を1万年単位で保てるとみられていた。しかし、1990年ごろまでの測定で、国際原器と各国の原器に1億分の5キログラム、指紋一つ分ほどの変化