千葉県がんセンター(千葉市中央区)は25日、病理検査を行った乳がん患者2人の検体を取り違え、直ちに手術の必要がない早期がんの30歳代女性の右乳房を全摘出したと発表した。 発表によると、同センターは10月中旬の同じ日、いずれも千葉県内の30歳代女性と50歳代女性に、針を刺して細胞組織を採取する「針生検」を実施。この際、検体を取り違えたために、30歳代女性を「進行がん」と診断し、本人と家族の同意を得て12月上旬、右乳房の全摘手術を行った。 しかし、12月15日に摘出した部位を検査したところ、進行がんではなく早期がんと判明。17日、30歳代女性と50歳代女性の検体の遺伝子を調べたところ、2人の針生検の検体を取り違えていたことがわかった。同センターは「30歳代女性は、最初の針生検の時点では全摘出する必要はなかった」としている。