映画 「観る人を選ぶ作品」という言葉がありますが、本作はそれはもう盛大に観る人を選びます。セックス。ドラッグ。暴力。飛び交う弾丸。人体に突き刺さるナイフ。内臓丸出しでくたばるチンピラ。婦女暴行も辞さずに地獄巡りを続ける主人公。製作陣の「高校生に観てもらいたい」という強い熱意の甲斐あってなのかR18を免れてR15に設定されてはいますが、これがR18で無いとすれば、今までのR18作品のレイトを全て再検討しないと帳尻があわない。 さて、ここ最近の日本映画界では三池崇史や園子温といった人々が過度に暴力的だったり非倫理的だったりする映画を脈々と生み出してきました。去年は『凶悪』の白石和彌監督のような新鋭も出てきています。本作『渇き。』はそういった近年の一連の暴力的な映画作品の極北を示すと言っても良いかもしれません。エクストリームな描写。欠落した倫理観。登場人物たちはまるで競い合うように「人間としてや