アレクサンドリア図書館といえば書痴の夢。大灯台といえばSFと不思議の星。古代ローマといえば歴史好きには見果てぬ憧れである。コレを観ずに済ませるわけがない。 4世紀末、古代ローマ帝国の地中海対岸に位置した半ば伝説の地、アレクサンドリアである。世界中の知が集まる高度な学術都市であり、当時の科学力は既に地動説を窺うところまできていたという。しかし宗教闘争により高度な知識は蹴散らされ、再び天才・ガリレオが現れ再発見するまで実に千年もの停滞を経ねばばならなかった。 スペインの製作だが、この映画ではキリスト教はまるっきりの悪役として描かれる。黒っぽい薄汚れた衣装の修道士達が暴徒となって図書館になだれ込み、書物や器具・美術品などを破壊し燃やすさまなど、上空からのショットを早回しにして昆虫が蠢いているように撮影している。レコンキスタで異端審問のスペインでこうした映画が作られたというのも、趣き深い。 宗教の