「戦後70年」のもつ意味や「表現の自由」についてどう考えるか。ネット社会におけるメディアのあり方は--。1981年の作家デビューから、様々な時代と向き合ってきた高橋源一郎さん(64)に話を聞きました。 ――「戦後70年」とはどのような時代でしょうか。 数年前に「いつまでが戦後なのかね」と社会学者の小熊英二さんに聞いたことがあります。小熊さんは「それは次の戦争が始まるまで」と即答しました。そうすると「次の戦争」は何かっていうことになります。すでに始まっているなら「戦後」は終わっているし、まだ始まってないと考えれば「戦後」は続いています。 時間的にいっても「戦後70年」というのは当時20歳だった人が90歳。「戦後80年」になったら戦争を語れる人が恐らくいなくなっているでしょう。直接的な経験を聞ける最後の時代になります。 これが、樹木が成長して年老いて折れるといった自然過程のように終わるのか、そ