「戦後思想界の巨人」とよばれ、長年にわたって、 日本人の生き方にも影響を与え続けた吉本隆明。 そんな吉本さんが、老いと病に直面した 人生の最後に、何を語ったのか──。 最愛の猫・フランシス子について、そして自らの死について。 この本がつくられた時、 それにたずさわったのはたまたますべて女性だった。 〝世にも優しい本〟が生まれたのはどうしてだったのか? 当事者たちが、吉本さんの愛した谷中の『蟻や』で語り合った。 構成・文/瀧 晴巳 撮影/関 夏子 生と死の狭間で語られた、吉本隆明、最後の“ことば”。 いいとこなんて特にない。平凡きわまるぼんやり猫の「フランシス子」。けれど、著者とは相思相愛だった。忘れがたき存在を亡くし、自らに訪れる死を予感しながらも、訥々と、詩うように語られた優しく輝く言葉たち。「戦後思想界の巨人」吉本隆明が、人生の最後に遺した、あまりにも愛おしい肉声の記録。 横の関係で住