いつの頃からか、母はキムチにハマって 毎日毎日朝から晩までバケツみたいな容器にキムチを入れて 食い続けるようになった。 冷蔵庫を開ければキムチの臭いしかしないし、 体臭や口臭もひどく、職場でも言われるほどらしい。 最終的には母が料理をしなくなった。 正確には、 「キムチさえ食えればそれで良いので、 一番簡単に出来る料理を申し訳程度に置いておけば良い」という発想になり、 夏はそうめん、それ以外は具のない焼きそばだけしか出てこなくなった。 当の本人はそれらにキムチをどっさり入れて、真っ赤になった麺をすすりながら グッチャグッチャ言わせつつ、何故かキョロキョロしながら貪り続けていたが、 (まるで生ごみを漁るカラスのよう) 私や兄弟はそんな食卓でむりやり食事を詰め込む生活が続いて 正気を保っていられるはずもなく、早々に家を出た。 仲が悪いわけではなかったので母とは連絡を取っているが、 今もキムチが
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