静岡県御殿場市にある東富士演習場で実施された、陸上自衛隊の「富士総合火力演習」の予行で、砲撃する戦車(2014年8月19日)〔AFPBB News〕 そんな質問を受けることがよくある。かつて自衛隊で精強部隊育成に努めてきた身からすれば、「もちろん強いのです」と言いたいところだが、その答えはそれほど簡単ではない。 なぜなら、「強さ」を決定する基準は多岐にわたっているからである。帝國陸海軍と比較しての話か、米軍と比較してか、あるいは近隣諸国軍との比較か、隊員個々の強さか、大部隊としての強さなのか、比較対象、戦闘環境によって「強さ」の基準は違ってくる。 また、戦闘機、護衛艦、戦車など装備の物理的能力なのか、武器弾薬の補給や予備兵力など人事・後方の持続力を含めているのか、あるいは精神的な側面も含めた訓練練度のことなのか、はたまた有事法制や国民による支援も含めた総力戦能力のことなのか、「強さ」につい