イスラエル北部ハイファ(CNN) イスラエルの海岸や地中海東部でこの夏、沖へ出た海水浴客らが見慣れないクラゲに刺されるケースが相次いだ。このクラゲははるかインド洋からスエズ運河を通り、地中海へ大量に流入したとみられる。 クラゲの学名は「ロピレマ・ノマディカ」。イスラエルの国立海洋学研究所で海洋生物学を研究するベラ・ガリル氏によると、地中海にはこのほかにもいくつかの生物が流入し、生態系への影響が懸念されている。 たとえば繁殖力が旺盛なアイゴという魚の仲間が、大群となって海草を食べ尽くしてしまうことも考えられる。 同氏によれば、この動きに拍車をかけているのがスエズ運河の拡張工事だ。運河にはもともと、濃度の非常に高い塩湖の部分があり、ほとんどの生物はここを通過することができなかった。しかし近年の拡張によってこうした「天然のバリア」が消滅。紅海から北へ向かう海流に乗って、さまざまな生物が地中海へ流