アナキスト/フェミニストの高島鈴が、社会現象級の大ヒット作を正座で熟読。マンガと社会を熱く鋭く読み解く、革命のためのポップカルチャー論をお届けします。 第1回は、「動物版青春ヒューマンドラマ」を謳う板垣巴留『BEASTARS』(2016〜2020年連載/秋田書店)。第42回講談社漫画賞・少年部門賞、第11回マンガ大賞を受賞し、現在TVアニメの第2期が放送中の本作は、「本能」というテーマをどのように描き終えたのでしょうか。 ※この記事には漫画『BEASTARS』の結末に関するネタバレが含まれます。 ●正論と本能? 「くたばれ、正論」。今年の成人式に合わせて、エナジードリンクブランドの「RED BULL」が掲出した若者向け広告のキャッチコピーが目に留まった。大きな角を備えた雄牛の写真の上に、数行の散文が載っている。 以下に全文を引用する。 この世の行き過ぎた正しさが、君の美しいカドを丸く削ろう
![第1回 くたばれ、本能――『BEASTARS』論(1)|くたばれ、本能。ようこそ、連帯。|高島 鈴|webちくま(1/3)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2d6f74abd6dab01a4233e2da67c1b274ad1bcb75/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fchikuma.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2Ff%2F660m%2Fimg_4fb33e43a3925aefd0207aa6a9e474221498312.jpg)