JR大阪駅の駅ビル「大阪ステーションシティ」(大阪市北区)で通行人の顔をカメラ約90台で撮影し、その特徴を登録して同一人物を自動的に追跡する実験が4月から始まる。顔認証技術の精度を確かめるのが狙いで、データは個人が識別できない処理をしたうえで、JR西日本に提供されるという。不特定多数の人を撮影しデータを収集する行為に、専門家はプライバシーへの懸念を示している。 総務省所管の独立行政法人「情報通信研究機構」(東京都小金井市)がJR西日本とステーションシティを運営する「大阪ターミナルビル」の協力を得て、2年間実施する。 実験では、各カメラで3メートル四方にいる数十人の顔を撮影する。両目間の幅など100カ所程度の各人の顔の特徴を抽出して特定のIDを与えて登録し、別のカメラが同じ特徴を持つ顔を識別すると、同一人物と判断して追跡する仕組みだ。