「シノドス」に掲載していただいた芹沢一也さんのインタビュー「トランプ政権は貧困層や障害者に致命的な打撃を加えるのか?――日本人の知らないアメリカの”共助”を探る」を読まれた方の多くは、米国の障害者福祉が「弱者救済」だけではなく、「弱者を弱者でなくする」「をも包摂する」と、さまざまな側面から前進してきたことに驚かれたようです。それはそうでしょう。私も初めて知ったとき、大いに驚きましたから。 しかし米国は、障害者にとっての夢の国というわけではありません。日本の方が進んでいる部分も多数あります。そこで、先日のインタビューの補論として、米国の障害者福祉のダメなところを書いてみます。 米国の障害者福祉のダメなところは結構たくさんあるのですが、最大の「ダメ」は、多様な「生存」が包括的に保障されているかどうか、かなり微妙なところです。 状況は、障害類型によって大きく異なります(この点は日本も同じです)。