北海道教育大の元教授で中国籍の袁克勤(えん・こくきん)さん(65)=札幌市在住=が2019年、中国に帰国した際に突如拘束された。この出来事から5月25日で丸2年になる。 中国当局はスパイ罪で起訴したと発表したが、罪状や動静については一切明かしてこなかった。そんな中、弁護士による面会がこのほど初めて実現。元教授の健康状態に大きな問題はないことが確認された。 元教授は争う姿勢を示しており、「犯罪事実を自供した」とする当局発表との食い違いが生じている。 袁さんは中国吉林省にある吉林大学を卒業後、一橋大大学院の博士課程を修了。その後は北海道教育大札幌校で教鞭を執りながら東アジアの国際政治史を研究してきた。日本には約30年住み、永住権も持っている。長年、日中の学術交流に熱心に取り組んできた。 【関連記事】「中国共産党が日本の学問の自由を浸食」専門家が危機感 北海道教育大の元教授拘束から2年 袁さんの