アニメーションの現場は、1作品当たりのべ100人あまりの人間が携わる集団作業の場だ。絵を描く者、脚本、演出、進行、さまざまな職種に分かれた、仕事上の都合がぶつかり合うメンバーを取りまとめ、ひとつの作品を作る、それだけでも過酷なのに、作品には常に新しさ、時代性、採算性が求められる。そして移り気なファンたちは容赦なく叫ぶ。「次!」と。 そこで生き残ってきた、64歳の「現場監督」が、高橋良輔氏だ。 高橋氏は、「千と千尋の神隠し」のスタジオジブリを率いる宮崎駿氏、「機動戦士ガンダム」を世に送り出した富野由悠季氏、あるいは「イノセンス」の押井守氏といった、きら星のごとき知名度はない。氏自らが認める。「僕は“天才”ではまったくありません」と。しかし、高橋監督の代表作「装甲騎兵ボトムズ」は、放映から24年を経てこの夏さらに続編が制作され、プラモデルが出れば一度に何万個も売れる。 そして高橋氏は今も現場に
違法と合法の敷居があいまい──作り手から見た「YouTube」、ガイナックスに聞く:おもしろさは誰のものか(1/3 ページ) ファン活動の世界では、商業作品のキャラクターを許諾を得ずに使用して、コンテンツをつくることが行われる。これは著作権侵害といえば著作権侵害なのだが、しかし「キャラクターの使用をともなわないファン活動がそもそも可能なのか」と考えると、それは無理なように思われる。 同人誌の世界では商業作品のキャラクターを自作品に用い、しかも対価をとって販売するということが長らく行われてきたが、こうした「グレーゾーン」の活動が商業作品の人気を盛り上げている、あるいは新たな才能を生み出す土壌になっているという認識もあった。 だが、実はファン活動のすべてが、グレーゾーンで行われてきたわけではなかった。たとえばアマチュアによる立体造形物、ガレージキットの世界では、当日、イベント会場内限定で、個人
「ペギラのチャックは閉まっていなかった」などの情報に通じ、円谷特撮作品には怪獣デザインを提供、ガオガイガーの膝にはドリルをつけさせる。そんなオタクがフィギュアメーカーを立ち上げた。「リアルなフィギュアは、こう作れ!」(成田亨)のセンスを受け継ぎ、真のリアリティを追求し続けるマーミットの赤松社長にお話を聞いた。 マーミットの赤松社長 ――商品を開発するうえでのコンセプトをお聞かせください。 「とにかく、いかに本物に見えるか。写真を撮ったときに、本物にしか見えないようなものが作りたい……というところを常に考えて作っている、っていうのはありますね」 ――何がなんでも精密に作りさえすれば、本物に見えるわけではないと……。 「まったく違いますね。距離感というのがあるので。例えば1/6スケールでしたら、6倍の距離になってるわけです。そうすると、実際には50cmの距離で見ているものが、劇中のスケールの中
3月27日(木)から30日(日)にかけて、東京ビッグサイトにて「東京国際アニメフェア2008」が開催された(来場者数は4日間合計で12万6,622人)。ロボットや人型戦闘兵器、戦闘メカなどが活躍する多数の新作アニメの最新映像が公開されたり、制作記者発表会などが実施されたりした。ここでは、そうしたロボット系のアニメに絞って紹介していく。 まずは、「攻殻機動隊」でお馴染みのコンビネーション、士郎正宗×プロダクション I.Gが贈る「RD 潜脳調査室」(古橋一浩監督作品)。4月8日から毎週火曜深夜24時59分から日本テレビ系で放映されるSFアニメーションだ。西暦2061年という50年後の日本を舞台に、現実世界と個人の記憶を情報化したメタリアル・ネットワーク(メタル)のふたつの世界の狭間でおこる歪みを調査して究明していく「潜脳(電脳)ダイバー」の波留真理(はる・まさみち)たちの活躍が描かれていく。
MIAU(Movements for Internet Active Users:インターネット先進ユーザーの会)は3月18日、日本ユニセフ協会に対して、「準児童ポルノ」(アニメや漫画、ゲームなどで児童を性的に描いたもの)について問いただす公開質問状を送付したと発表した。 同協会がとりまとめ役としてこのほど始めたキャンペーンでは、児童を性的虐待から守るため、被写体が実在しないアニメやゲーム、漫画であっても、児童の性的な姿態や虐待などを写実的に描写していれば「準児童ポルノ」として違法化するよう呼び掛けている。 MIAUは質問状で、「ネットユーザーに議論の基礎資料を提供するためで、子どもを性的虐待から守ろうという目的に反対するものではない」とした上で、(1)準児童ポルノの規制目的・根拠と、児童ポルノのそれが同一と考えているか、(2)準児童ポルノの閲覧と、現実の接触犯罪の間に因果関係があると考え
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中国における日本の動漫ブームを語る上で、絶対に避けて通ることのできないものがある。それは、「海賊版」の存在だ。 中国では、日本の漫画を翻訳した単行本や日本のアニメを収録したDVDやVCD(注:CDに映像と音声をMPEG1方式で録画したもの。日本ではまったくといっていいほど流通していないが、コピーのしやすさからか、アジア各国ではかつてのビデオテープ並みに流通している)が街のそこかしこで売られている。 海賊版について慎重に考察を試みたい ただし、日本の出版社や著者、テレビ局などと正規の版権契約をとりかわして作られた「正規版」はほんのわずか。大半は、中国大陸あるいは台湾などで勝手にコピーしたいわゆる「海賊版」だ。最近では政府の取り締まりが厳しくなったので、多少は減ってきたとは思うが、それでも中国市場に流通する日本動漫ソフトの90%は海賊版だと言われている。 こうした話は読者のみなさんもすでにメデ
前回で、日本アニメの放送禁止と国産アニメの振興、といった中国政府のやり方が、インターネット上の議論を介して、中国の一般大衆からの拒否反応を招いている経緯を取り上げた。 ただし、政府に対するブーイングは、実はウェブ上の議論にとどまっていなかった。小さな規模であるが、リアルな「運動」が起きていたのである。 地下鉄爆破宣言をした大学生の言い分 2007年7月4日、北京にいる友人からメールが入った。 「すごいことが起きてしまいましたよ。禁播令に抗議した大学生が、地下鉄に爆弾を仕掛けたと宣言して捕まったというニュースを、北京の『京華時報』が報じています。学生は大の日本アニメファン。禁播令で日本アニメが放映禁止になると知って、それに抗議したようです」 もう一度説明しておく。 「禁播令」とは、中国の映画やテレビ等のメディア界を管轄する中国政府の最高機関である国家広播電影電視総局(国家広電総局)が、200
すでに前回で触れたように、中国の映画やラジオ・テレビ等のメディア分野を統括する中国政府の最高機関である国家広播電影電視総局(国家広電総局)は、2006年9月1日から、中国全土の全てのテレビ局において、夕方の5時から8時までのゴールデンタイムに外国アニメ(実質上は日本アニメ)の放映を一律に禁じた。 中国語ではこれを「禁播令」と略称している。播は「伝播(でんぱ)」の「播」で、放送とか放映を意味する。この原稿でも簡単に「禁播令」と略記することにしよう。 中国の国産アニメが招いた衝撃の事態 この禁播令は、国産のテレビアニメを振興させることや、中国の青少年が日本文化の影響を受けすぎないようにすることが主な目的だ。また、日本アニメの中には暴力に傾いたものもあり、青少年の情操教育を妨げるのでそれを阻止し、中華民族の伝統的な文化に対する尊敬の念の養成と健全な精神形成を促進する、ということも重要な目的とされ
新年明けましておめでとうございます。昨春より書き始めたこのコラムも、おかげさまで1年が経ちました。毎回、読者の皆様には多数のコメントを頂戴し、ありがとうございました。とても参考になります。 私たちの生み出した商品やサービスをひもとき、裏に隠れていて見過ごされがちな日本人特有の気質とかコミュニケーションスタイルとの関係性を分析してまいりました。時には多少強引なこじつけ風に感じられる場合もあったかもしれませんが、本コラムは、日本のエンジニアリングの将来を前向きに考えることを念頭に、今年も3つのモットーを掲げて考えていきたいと思っています。 日本人の作るものには、きっと素晴らしい文化的背景が潜んでいる……に違いない! 弱みに思える特徴でも、逆に強みとしてとらえて戦略を考えられる……はずである! 一見嘆かわしいくらいのものほど次世代を牽引するチャンスが潜んでいる……と信じよう! さて、本日はまだ松
「アニメ大国」や「ジャパニメーション」といわれ世界的に注目されている日本のアニメーション。四千人とも五千人ともいわれるアニメーターなどアニメ労働者が、労働基準法も適用されない個人事業主として働かされていることは知られていません。そんななか、東映アニメーションのアニメ契約者は、労働者性を勝ちとりつつあり、あと一歩で労基法上の諸権利を認めさせるところまできています。(伊藤悠希) アニメ「プリキュア」「ワンピース」などで有名な東映アニメーションで「原画」を描いている里子さん(30)はアニメーターになって十年。一日に描けるカットはせいぜい二、三カットです。締め切りに追われ、毎日十時間働いています。「初めてテレビにスタッフとして名前が出たときは録画をして、家族に報告しました。自分のかかわったアニメが形になって世の中に出たのがうれしかった」 会社はアニメーターを「契約者」という名の個人請負扱いにし、「
俳優らを常習的に脅迫した罪などに問われているガーシーこと東谷義和被告の裁判で、東京地裁は14日、ガーシー被告に執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。 前参議院議員のガーシーこと東谷義和被告は2022年、YouTubeに配信した動画で俳優の綾野剛さんなどを常習的に脅迫した罪などに問われています。 東京地裁は14日の判決で、ガーシー被告に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。 これまでの裁判で、検察側は、ガーシー被告が「多数の者に対して長期間かつ多数回にわたって誹謗中傷や脅迫を繰り返した」として、懲役4年を求刑していた一方、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていました。
著者プロフィール:新崎幸夫 南カリフォルニア大学のMBA(ビジネススクール)在学中。映像関連の新興Webメディアに興味をもち、映画産業の本場・ロサンゼルスでメディアビジネスを学ぶ。専門分野はモバイル・ブロードバンドだが、著作権や通信行政など複数のテーマを幅広く取材する。 日本のアニメ・ゲーム文化は今や広く海外に知られている。「世界コスプレサミット」が名古屋で開催されたといったニュースを見ていると(別記事参照)、こうしたサブカルチャーは世界を巻き込んで盛り上がりを見せているように思える。 だがビジネスの“現場”では、まだまだ悩みも多いようだ。ロサンゼルスで関係者の声を探った。 企業の進出が足りない? ロサンゼルスの日本人街、リトルトーキョーでアニメショップ「Anime Jungle」を運営する塩田哲氏は、「ロサンゼルスにはそれほど企業が進出できていない」と分析する。 同店は6年前から、ロサン
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