富士山の山頂付近で山梨、静岡両県の県境は定まっていないのに、国土地理院がネットで公開する電子地図上で「静岡県富士宮市」としていた件で、同院が、住所を表示する機能を停止させたことが分かった。「富士山は特別な存在で国民の関心も高く、放置するのは適切ではないと判断した」と説明している。 同院のホームページにある「地理院地図」では、地図上の場所を指定すれば住所や緯度・経度、標高などが表示されるが、4日から富士山頂は、住所が示されなくなっている。地理院の大木章一・企画調査課長は「山梨県から事情を聴き、当面の措置として山頂付近の住所を表示しないことにした」と話した。山梨県や関係自治体の意見を聞きながら、今後の対応を検討するという。 山梨県の横内正明知事は3日の記者会見で「誤解を与え、不適切」と述べ、地理院に対応を求めていた。 富士山頂付近の県境をめぐっては、世界文化遺産に登録されたのを機に山梨県の横内