雪深い山間部を走る「こまち」。盛岡-秋田駅間は在来線を走行する。これまで多くの観光客やビジネス客を運んできた=仙北市田沢湖生保内のJR田沢湖線 ◎秋田新幹線20年(上)広がる県内格差 秋田新幹線が22日、開業20周年を迎える。「こまち」の愛称で親しまれる列車は延べ約4400万人の乗客を運び、秋田県の交流人口の増加に貢献してきた。半面、集客効果は沿線にとどまり、県内の地域間格差は広がった。北海道、北陸など新幹線の相次ぐ開業で激しい競争にさらされる中、「はたち」になったこまちと地域の課題を探る。(秋田総局・藤沢和久) <アクセス良好> 今月前半の週末、仙北市のJR角館駅に到着したこまちから乗客約30人がホームに降り立った。多くは観光客で、古い町並みが残る武家屋敷や観光施設への送迎バス乗り場に向かった。 「首都圏から予約があれば、到着時刻に合わせた無料送迎バスを案内している。この辺りは他の交通手