静岡県熱海市が24時間365日態勢で、テレビ番組や映画の制作会社のロケを支援する事業「ADさん、いらっしゃい!」を1人で担当する市観光経済課主幹の男性職員(51)の勤務実態が8日、市議会本会議で取り上げられ、2015年度の残業時間が1100時間に上ることが明らかになった。 「市はブラック企業ではないか」と問いただした米山秀夫議員に対し、斉藤栄市長は「1人の職員がこれだけ残業する負担の大きさは問題。労働条件を改善したい」と答弁した。市の規程では、職員の時間外勤務の限度を年360時間と定めており、これを大きく上回っている。 事業を発案し、担当する職員は取材に対し、「お気遣いいただけるのはありがたい」としたうえで、「誰にでもできることではない。市役所のイメージ改革にもつながっている」と強調する。民間企業の経験もあるこの職員は、ADたちと信頼関係を築き、多くのテレビ番組や映画のロケを誘致した。一時