それだけではない。昨年3月、ベネズエラでは野党指導者が呼びかけて、大規模な反政府抗議デモが起きた。治安部隊が出動し、政情が不安定になると、マドゥロ大統領を支持するグループが大統領を一時的に国外脱出させようとした。 このとき、脱出用の飛行機としてモスクワ経由で首都カラカスに降り立ったのが、金塊用に使っていたMNGの同じジェット機だった。結局、大統領は国外脱出しなかったものの、アメリカの国務長官がこの計画を暴露。国外脱出は大統領ではなく、その後、ゴーンの脱出に使われることになる。 MNGのジェット機は輸送物の中身に目をつむり、危うい輸送を請け負ってきたわけだが、ゴーン一行を関西空港からイスタンブールに運んだ後、一行はレバノン行きの飛行機に乗り換えている。こちらもMNGが運用するプライベートジェットだった。これがさらなる黒い履歴をもつ。 レバノン行きのジェット機TC-RZAの元所有者は、2016