JASRAC許諾第9017992002Y45038号 【推奨動作環境】当サイトの閲覧にはInternet Explorer 9以降のご使用をお勧めいたします。 Copyright © Kure City All Rights Reserved.
親子でしょ? という岩瀬純(前田旺志郎)の屈託のない問いかけが、世吹すずめ(満島ひかり)に纏わりつく”呪い”をギュっと締めつける。20年以上音信を絶っていた父の危篤。家族の死に目には駆けつけるのがホームドラマの定石、いや、この世界の”常識”のようなものだ。想いを寄せる別府司(松田龍平)との会話がフラッシュバックしたことだろう。 家族のお祝い事なんで帰ります “世界の別府ファミリー”から除外され苦しんでいるで別府すら、家族というフレーズの前にはひれ伏さざるえない。しかし、すずめにとって父はどうしても許すことのできない存在だ。最期の最期で全部をなかったことにして、”いい人”になろうとしている父が許せない。 怒られるかな…ダメかな 家族だから行かなきゃダメかな 行かなきゃ… その零れる小さな叫びを聞き、それまで「病院に行こう」の一点張りであった巻真紀(松たか子)が、ギュっと手を握り、「逃げよう」
言葉と気持ちは違うの! この家森諭高(高橋一生)の叫びがまさにこのドラマの見方を端的に示している。巻真紀(松たか子)が「わたし、弾けない」「無理です、わたし上手く弾けません」などと囁けば、次のカットでは必ずや活き活きとヴァイオリンを演奏する彼女の姿が見られる。喋る言葉が全てではない。人というのは、言葉とは裏腹、その仮面の下にはどんなものが蠢いているかわからない。ドーナッツの穴のように何かが欠けていて、思ったことを上手に言葉にできない不器用な大人達のラブサスペンスである本作においてはなおのことだろう。本当の”想い”は実に些細な身体の振動やその視線の先に、零れ落ちる。そんな坂元脚本のミューズである満島ひかりの繊細な演技に割目せよ。別府司(松田龍平)の『人魚 対 半魚人』のDVDいじりが自分にも回ってくると思って差し出した手の動き(回ってくる前に巻が放り投げてしまう)、別府とベンチに並ぶ時に少し
坂元裕二が脚本を手掛ける新作ドラマ『カルテット』の放送が開始された。『問題のあるレストラン』(2015)にしても『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(2016)にしても意欲作であり、充分に我々の琴線を揺さぶってきたわけであるから、こういった言葉を用いるのは少々憚れるのであるが、あえてぶちまけよう。坂元裕二、完全復活!これは面白いですよ。謎が謎を呼ぶミステリーであり、まさに新機軸。しかし、本心を隠しあった人間が集まり、“本当のこと”を周到に隠しながら上滑りの会話をしていくというそのミステリーのありかたは、”わかりえなさ”を前提に掲げた坂元ドラマの本質を捉えた形式のようにも思える。ここ数作では控え目であった、あのつんのめるように脱臼した会話劇が、全幅の信頼を寄せるに値する役者の集結によって、復活。発話や会話のリアリティもさることながら、「唐揚げにレモン」だとかいう、物語には到底なりえ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く