映画「その街のこども」を見る。 ひょんなことから神戸で出会った男女が阪神淡路大震災の追悼集会がある三宮まで夜通し歩き続けることになる。上映時間80分全篇歩きっぱなし、喋りっぱなしですすむがまったく飽きが来ない。 徹底したリアルな会話のやりとり、佐藤江梨子に電話番号か3サイズ教えてという森山未來に佐藤が教える電話番号も気が利いてるし、どんなに歩き疲れてもタクシーを拾うことや自転車を拝借することが禁じられていたり。脚本渡辺あやの技が光る。 その渡辺あやの匠の技は忠実なまでにリアルに奉仕しているが、この映画でリアルがほころぶ瞬間がある。今まで快調にリアルに徹してきた映画がほころびを見せるのは佐藤江梨子が自分の友だちだった「ゆっちん」を震災で亡くしたことを告白し、「被災者同士で助け合っていかなあかんねん・・・」というようなことを話しはじめたときだ。その時いままで保たれてきたリアリズムはあっけなく崩