関東大震災で海底に沈んだ当時の姿を伝える根府川駅のプラットホーム=神奈川県小田原市根府川沖で(根府川ダイビングサービス提供) 100年前、関東大震災の地滑りで海に転落した鉄道駅があり、海底ではプラットホームなどが被災当時の姿を今も保っているという。神奈川県片浦村(現・小田原市)の熱海線(現・JR東海道線)根府川(ねぶかわ)駅。先月末開かれた日本考古学協会の年次総会で、林原利明・東京海洋大非常勤講師(水中考古学)が現況報告し、活用法を提案した。災害遺跡の将来像として、防災などの多くの観点から注目される。 1923(大正12)年9月1日の関東大震災の震源は相模湾。神奈川県沿岸部には甚大な被害が出た。海沿いの標高約50メートルの崖の中腹にあった根府川駅は地滑りと土石流により、入線してきた列車とともに海岸・海中に転落した。直後に津波にも襲われ、列車と駅にいた乗客職員100人以上が亡くなる大惨事とな
