東京電力福島第一原発で発生し続けている処理水を海に放出する方針を、政府が4月13日、正式に決めた。処理水とは、原子炉周辺から出る放射性物質を含んだ汚染水を浄化処理し、トリチウム以外の62種類の放射性物質を取り除いたものだ。2年後をめどに、海に流し始める予定だ。この決定に、全国漁業共同組合連合会(全漁連)は「極めて遺憾であり、到底容認できるものではない」と抗議する声明を発表した。漁業関係者らが反発するのは、漁業などへの「風評被害」を懸念しているからだ。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】 前提として、原子力施設からのトリチウムを含んだ水の海洋放出そのものは、福島第一原発に限らず国内外の各地で行われている。 希釈すれば悪影響がないという考え方に基づき、それぞれの国の規制基準に沿った形で行われてきた。 とはいえ、なぜ福島では特に、風評被害が問題となり得るのか。処理水をめぐる問題を理解す