ブックマーク / cruel.hatenablog.com (125)

  • The Economist:「クソな仕事 (ブルシット・ジョブ)」はクソ理論 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary デヴィッド・グレーバーは、いまの資主義を批判するので人気があるが、最近の労働が実は無意味なものと化し、そこに従事している人びとが虚無と疎外感にとらわれているという『ブルシット・ジョブ』(2018) は、実際の人びとの労働意識を調べて見ると、まったく実態に即していない、ただの思いこみでしかない。それを述べたThe Economist記事を勝手に翻訳した。 デヴィッド・グレーバーは何やら一部の人にはえらく人気があって、お決まりのサヨク議論を何やらそれっぽい意匠で語ってみせるから、というのが普通の解釈だけれど、正直いってそれ以上のものだとは思わない。 で、彼のブルシット・ジョブ。ほとんどの人は読んでなくて、これが非正規のウーバー配達員とかそういう仕事のことだとおもっているんだけれど、実はちがう。オリンピック大臣の丸川珠代みたいな、何の技能もなく意味もないお飾

    The Economist:「クソな仕事 (ブルシット・ジョブ)」はクソ理論 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/08/01
    “学者三人——マグダレーナ・ソフィア、アレックス・ウッド、ブレンダン・バーチェル——はグレーバー氏の主張について系統的な分析を行い、実際のデータを見ると彼の主張ほ正反対が見られることを示した”
  • M. Mazzucato, Mission Economy: A Moonshot Guide to Changing Capitalism 査読 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    2020年10月に依頼された、マリアナ・マッツカートの新著の査読。冒頭のコロナでの話とかでもわかるとおり、いまにして思えば (半年しかたっていないのに!) ずいぶん拙速で妥当性のない話になっているように思う。ベトナムなどは社会封鎖は成功したけれど、ワクチンとかは欧米のほうが対応がうまかった、ということになると、そもそものこのの前提がいまや変だ。 読んだ時点でもピンとこなかったけど、まあ政府主導ででかいプロジェクトやってもいいんじゃね、とは思ったので、ぬるくはほめてある。彼女の強みは、ある意味でそのぬるさでもある。が、積極的にはすすめていない。 結局、出版社は見送りを決めたようで、正しい判断だったと思う。(付記:その後年末になって、見送っていなかったことが判明) Mission Economy: A Moonshot Guide to Changing Capitalism 作者:Mazz

    M. Mazzucato, Mission Economy: A Moonshot Guide to Changing Capitalism 査読 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/06/04
  • ラジオトークの存在意義などについて - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    なんかこんど、ラジオのレギュラーコメンテーターやることになったのよ。 www.joqr.co.jp サイトには出ていないけれど、ツイッターに出たからすでに解禁なんだと思う。番組全体が少し時間が遅れて長くなるとのこと。そしてその情報によると、山形は火曜の7:45あたりから、とのこと。ちなみにぼくの前が田中秀臣で、続いて山形になるらしい。 コメンテーターといってもニュースにいろいろつっこみ入れるだけなんだけど、2月末にゲストに呼ばれたとき、ミャンマーへのODA停止とテキサスの電力問題が主なニュースで、なんだかぼくの守備範囲ピンポイントであれこれしゃべれたので、使ってみようということになったんだと思う。だってミャンマーのODA再開したときの一号案件の一つだった、ヤンゴン配電網整備やってたし、その関係で電力の話はネタがいろいろあるのだ。その意味で、あれはたまたまあの日のネタがラッキーだった、という

    ラジオトークの存在意義などについて - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/03/23
  • クルーグマン「ミレニアムを解き放つ」:この道はいつか来た道 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    先日、「資主義の行き詰まりがあちこちで見られる中で新たな経済思想は〜」みたいな話をきかれて、ぼくはちょっと言葉に詰まった。というのも、資主義がそんなに行き詰まっているとはぼくは思っていないから、なのだ。 それで、ちょっと以前読んで気になっていたクルーグマンの2000年の文章を掘り出して訳してみました。 cruel.org たぶんいまのクルーグマンは、掘り出されたくない文章じゃないかな。一読すればわかるけれど、資主義と市場原理の勝利を明確にうたい、それ以外の経済体制はほぼ否定されたと断言する文章だ。もちろんぼくたちはこの後で、2007-9年のリーマンショック/世界金融危機に直面している。この文章にあるほどの楽観論をいま抱くのはむずかしい。たぶんクルーグマン自身もそう思うはず。 たぶん現在なら、やっぱこれを書いた時期でも歪みはたまりつつあって、格差は急激に拡大していて、環境が云々で、こん

    クルーグマン「ミレニアムを解き放つ」:この道はいつか来た道 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/03/20
    “「資本主義の行き詰まりがあちこちで見られる中で新たな経済思想は〜」みたいな話をきかれて、ぼくはちょっと言葉に詰まった。というのも、資本主義がそんなに行き詰まっているとはぼくは思っていないから”
  • コンドルセ『人間精神進歩史』なかなかおもろい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ピケティの新著、翻訳鋭意進めております。その中で古いがたくさん引用されてて、中にあったのが、コンドルセ。 人間精神進歩史 第1部 (岩波文庫 青 702-2) 作者:コンドルセ発売日: 1951/03/05メディア: 文庫 引用ヶ所の邦訳ページを調べなくてはならないので、古いだけど入手して (古で買って)、あまり期待せずにざっと読んだけど、おもしろいなあ。人間の精神がだんだん発展してきて開明的になってくるよー、という話で、とても明解。人が進歩すれば環境が変わり、その価値観もかわって、戦争とか迷信的な宗教とかに囚われることもなくなり、理性的な取引に基づいて公正な取引が主流になる、という話。 で、ピケティのでは、コンドルセはちょっとボケ役になっている。コンドルセの議論は、人間の理性が進歩すれば、バカみたいな財産への固執もなくなるから、格差は自然に解消されるよ、というもの。それについて、

    コンドルセ『人間精神進歩史』なかなかおもろい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/02/26
    “もちろんピケティは、コンドルセが累進課税的な再分配のアイデアを出していることも含め、先駆的な論者としてコンドルセを充分評価しているけど、もうちょっとフェアな紹介の仕方をしてもいいんじゃないかなー”
  • トマス・ペイン『土地をめぐる公正』Agrarian Justice 元祖ベーシックインカム! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    トマス・ペインのAgrarian Justice、よく題名の直訳で、「農民の正義」とか紹介されているので、農地改革のすすめかなんかだろうと思って読みはじめたら、ぜんぜんちがいました。 なんと1795年の段階で、ベーシックインカムの必要性を実に明解に訴えた先駆的なパンフレット。そして、その論理はきわめて明解。創ったり相続したり買ったりしたものが私有財産というのは認めよう。でも、土地ってだれも作ったものじゃないよね。だから土地私有っておかしいよね。土地に対して、耕作して付加価値つけたら、その分は当然ながら、あんたの働きによるものだから私有できる。でも、いまの土地私有って、その改良を土地そのものと分離できないからって、来あんたのものじゃない土地自体まで私有してるよね? だったらその部分、相続税の形で社会に還元して、それを土地という共有財産を奪われた人たちに、ベーシックインカムとしてあげようぜ、

    トマス・ペイン『土地をめぐる公正』Agrarian Justice 元祖ベーシックインカム! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    maeda_a
    maeda_a 2021/02/23
    「創ったり相続したり買ったりしたものが私有財産というのは認めよう。でも、土地ってだれも作ったものじゃないよね。だから土地私有っておかしいよね」
  • ケインズ『説得論集』全訳終わった。(そういえば昨日はバレンタインデー) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    いろいろ忙しくなってきたので、例によってケインズ『説得論集』の全訳をあげてしまいました。1931年の原著すべてプラスアルファになっております。 J.M.ケインズ『説得論集』pdf 1.3MB https://genpaku.org/keynes/essaysinpersuasion/JMKessaysinPersuasionj.pdf J.M.ケインズ『説得論集』epub 0.3MB https://genpaku.org/keynes/essaysinpersuasion/JMKessaysinPersuasionj.epub そこそこ有名な文も結構入っているし、当然ながら既存のどの翻訳よりもいいとは思う。まあお楽しみあれ……って、いろいろ訳してるけど読んでいる人が何人いるのやら。 追記:そういえば昨日はバレンタインデーだったのね。チョコをもらえなかった人、あげられなかった人たち、どうぞ

    ケインズ『説得論集』全訳終わった。(そういえば昨日はバレンタインデー) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • スターリン閣下はお怒りのようです:インタビューの読み方説明 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    付記:なんか多くの人が、これを2020年10月の学術会議がらみの一件に対する批評的な意図を持ったものだと読んでいるようなんだが、ぼくは実はまるでそんなことを考えていたわけではないのだよ。ホント、たまたま出てきただけなのよ。が、もちろんそういう解釈があり得ることはわからなくはない。そして、それが決して的外れな解釈ではないのも事実。でも、それだけですませてしまうにはもったいない。中身の理解と、その時事的な応用は分けないと。山形がある意味でのさばっているのも、一方であり得るほどはのさばっていないのも、実はある種の文書化された状況や力関係の解読は結構うまい一方、まさに以下で書いたような現実の場でのガンつけに異様に鈍感な部分があるからで、そういう時事的な話にヘタに乗れない/乗らないから、なのだ。そしていまの日の環境ではそうした空気の読まなさ/読めなさが、すぐに寒いところ送りにはつながらないどころか

    スターリン閣下はお怒りのようです:インタビューの読み方説明 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    maeda_a
    maeda_a 2021/02/10
    “最近の「ジャーナリスト」の一部はとっても思い上がっていて、いろんなインタビューが対等な議論だとか思ってるふしがあるんだけれど、お読みのみなさんは、まさかそんなことは思ってないよねえ”
  • 偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    最近さまざまなメディアにおける人民諸君の発言を見るにつけ、であるな、多くの者が堕落し、あるべき革命精神を忘れ、軽視し、捨て去っているように見えるのだよ。特にへっぽこリベラルえせ知識人どもよ。そうした反革命分子どもにも、更正の機会を与えてやろうではないか。偉大なる首領、我らが指導者スターリン閣下のありがたきインタビューを読んで、あらためて社会における己の卑しき役割を再認識したまえ。 H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー、1934年7月 pdfが嫌な人は、この下に全文貼り付けてあるのでこのまま読み進めたまえ。 というわけで、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビュー。大恐慌真っ最中の1934年にソ連を訪れたイギリスの大知識人たるウェルズは、もう資主義は終わりだ、社会主義の時代がすぐにやってくると、当時の (そして今の) 軽薄なリベラル知識人ぶりを全開にしてスターリンにインタビュ

    偉大なる首領スターリン閣下のありがたきインタビューでも読み給え。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/02/10
    “個人と集合体との間には、埋められない対立などありませんし、またあるべきでもありません。個人の利益と集合体の利益との間も同じです” 集団行動問題の存在という事実を考慮するとこれは興味深い.
  • スターリン=ウェルズ対談:当時の論争 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    以前、H・G・ウェルズによるスターリンのインタビューの翻訳を載せたら、それなりに好評を博した。 cruel.hatenablog.com その後、ちょっとまた別の興味でケインズ全集を見ていたら、なんとこのインタビューへの言及があって、ケインズがこれにコメントをよせているという。なんか、あのインタビューをめぐって当時(というのは1934年)論争があったとのことで、それへの寄稿。全集の収録の文章だけでは文脈がよくわからなかったので、そのパンフを探して、忙しかったので全訳してしまいました。 『スターリン=ウェルズ対談をめぐって』(pdf,1.6MB) 『スターリン=ウェルズ対談をめぐって』(epub,0.5MB) バーナード・ショーがコメントをつけて、それについてウェルズとケインズ(とエルンスト・トラー)がさらにコメントする、という形式だけれど、何かまったく得られなかったすごい知見が得られるわけ

    スターリン=ウェルズ対談:当時の論争 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/02/10
    “バーナード・ショーというのが、どうしようもないバカだというのは実に如実にわかるのはすごい…現代なら、陰謀論にはまってツイッターでトランプ支持でコロナマスク反対してたことでしょう”
  • 再びピケティ奴隷募集! - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Exectuive Summary ピケティ新著のサポートサイト用に、図表の加工を外注したい。報酬は出たときに訳書をあげるだけ。以下の仕様を見てわかるヤツだけ応募しなさい。 はじめに 高齢な方々の中には、はるか昔にトマ・ピケティ『21世紀の資』とかいうがなぜかベストセラーになったのをご記憶の方もいるだろう。 21世紀の資 作者:トマ・ピケティ発売日: 2015/04/27メディア: Kindle版 さて、このは、自体だけでなくサポートのウェブサイトもあって、そこにExcelの表は図表、補遺、その他いろんな資料があった。には、それも込みでの『21世紀の資』であるぞ、と明記されていたので、日語訳を担当したバカは律儀にそのサポートサイトも全部訳したわけだ。 cruel.org ところがふたを空けてみたら、頼まれもしないのにそんなクソ面倒な手間をかけたのは、英語を除けばこの日語訳

    再びピケティ奴隷募集! - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/02/04
    “ピケティ新著のサポートサイト用に、図表の加工を外注したい。報酬は出たときに訳書をあげるだけ。以下の仕様を見てわかるヤツだけ応募しなさい”
  • ケインズ『人物評伝』全訳おわった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    epub版ケインズ『人物評伝』表紙。 年明けてからケインズ『人物評伝』を訳し始めて、月の内になんとか終わりました。 ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝』pdf 2.7MB ジョン・メイナード・ケインズ『人物評伝』epub 1.4MB epubは、pandocで機械的に変換しただけ。現在は、もとの翻訳は半分くらいをlatexで書き、残り半分はmarkdownで書いて、pandocでlatexにして、そのlatexをもとにepubにしている。記事毎の改ページとか、きちんとできていないし、まだepubとして改良の余地はたくさんあると思う。今後これは改良しましょう。 (ふーむ、epubってxhtmlのかたまりなのか……ちょっとそれを知っていじってみました。表紙も一応くっつけておきました。このままアマゾンにでも出そうかね。xhtmlのかたまりということは、markdownを使う必然性はあまりなく

    ケインズ『人物評伝』全訳おわった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/01/31
  • ピケティ『21世紀の資本』: r>g は格差の必要 or 十分条件か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    21世紀の資 作者:トマ・ピケティ発売日: 2015/04/27メディア: Kindle版 新年仕事始め前の小ネタ。ツイッターでこんなのみかけたのよ。 このツイ主は、浅田論文を読んでおくことでどういう知見を得るべきなのか、ここで採りあげているネット番組の問題提起に対してそれがどう関係してくるのかは明記していない。けれど、文脈から判断して、これは日で r>g が顕著になってきたことなんか重視すべきじゃない、それで格差なんか増えない、こんなんで騒ぐやつは煽りだ、と言いたいのだろうとぼくは判断する。 さて、この人がツイートないで言及している論文はこれだ。 core.ac.uk ちょっと待った、これ、COREか! ワタクシが座興で訳していたら「金払わないと訳しちゃダメ」と言ってそれを潰しやがった……まあいいや。勝手にやってたことだから仕方ないんだけど。が、閑話休題。 (なんか別物らしい。とばっ

    ピケティ『21世紀の資本』: r>g は格差の必要 or 十分条件か? - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2021/01/04
  • まあXmasプレゼントみたいなもので、ケインズ「芸術と国家」(1938) 翻訳。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    今年はろくな年ではなかったし、来年もどうなるやらという感じだが、まあそれでも欲しいやつにはクリスマスプレゼントみたいなものでもあげようか。耶蘇じゃないけど。都市景観保全系の論集にケインズが寄稿していたのを見つけたもので。 全集のどれかの巻に入ったりしているのかな? 特に調べる気もないけれど、ケインズがスラムクリアランスや都市再開発を、不景気対策の公共事業として具体的に提案した文章って他にあるのかな? ケインズ「芸術と国家」 (1938) https://genpaku.org/keynes/misc/KeynesArtandState.pdf そんなすごいことを言っている文章ではないけれど、ケチな財務省死ねの論調とか、提案とかはそれなりにおもしろい。それと、建築とか景観の話として依頼されたはずなのに、途中まで舞台芸術やBBCの話ばっかりで、建築系は最初と最後にとってつけたような感じがしなく

    まあXmasプレゼントみたいなもので、ケインズ「芸術と国家」(1938) 翻訳。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • コロナなんかどうでもいいから石岡瑛子展に行きなさい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Executive Summary この展覧会を前にしてどうでもよくないと思う人は、豚に真珠もいいとこだから観に行かないほうがいいよ。 はじめに 先日、無料券をもらったので石岡瑛子展にでかけてきたのです。 www.mot-art-museum.jp ぼくは石岡瑛子は昔からとても好き、というか崇めていて、『風姿花伝』も持っているし、『私デザイン』も持っていて、何度も見ている。 石岡瑛子風姿花伝―Eiko by Eiko 作者:石岡 瑛子求竜堂Amazon 私 デザイン 作者:石岡 瑛子講談社Amazon だから別に今回の展覧会で何か新しい発見があるとは特に思っていなかった。いろんな衣装の実物があるというのは聞いていて、それは楽しみだったかな。でもまあ、知っていることのおさらいだろうと思っていた。 ちがった。すげえ。みなさんも是非行きなさい。 いまなお衝撃力を保つバブル期広告作品 まず入ると、

    コロナなんかどうでもいいから石岡瑛子展に行きなさい。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2020/12/08
  • フロイト『夢判断』:フロイトの過大評価をはっきりわからせてくれる見事な新訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    新訳 夢判断 (新潮モダン・クラシックス) 作者:フロイト新潮社Amazon 古典をきちんと読まなければ、みたいな強迫観念は、昔は強かったけれど、いまはあまり残っていない。が、フロイトは高校時代に岸田秀に入れ込んだこともあり、またいろんな人がフロイトはすごい、フロイトにかえれ、みたいなことをしきりに言うので、いずれ読まねば、という気持はあった。そして高橋義孝のギクシャクした金くぎ翻訳をなどを読んで挫折し、いやこれはぼくの理解力が足りないのか、これをきちんと理解すると、何かすごい世界が広がるのか、と思っていた。いつの日か、ちゃんと読もう…… そしてその「いつの日か」がやってきた。フロイト『夢判断」新訳だ。 そしてこれは、すばらしい。訳は実に明快でわかりやすい。これまで読んで挫折したのは、何よりも翻訳がダメだったせいだ、というのがはっきりわかる。が、同時にもう一つわかったことがある。フロイトは

    フロイト『夢判断』:フロイトの過大評価をはっきりわからせてくれる見事な新訳 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2020/11/20
    “これまで読んで挫折したのは、何よりも翻訳がダメだったせいだ、というのがはっきりわかる。が、同時にもう一つわかったことがある。フロイトは、そのダメな翻訳のおかげでずいぶん得をしていた、ということだ”
  • ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』アンチョコ - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はじめに 数日前に、サイモン『人間活動における理性』の海賊訳を公開したら結構みんな喜んでくれて幸甚。 cruel.hatenablog.com が、これを実際に読んでくれた人でも、結構苦労しているらしい。 note.com でてくる用語として、馴染みのないものが結構ある、というのがつまづく原因となっているみたいだ。扱っている範囲が野放図に広くて、経済学の効用理論の話が認知心理学みたいな話に逸れつつ、そこから進化論の話に入って、それが制度論だのメディア論だのに飛び火して、という代物だから仕方ないといえば仕方ない。 が、実際にでている話はそんな面倒なことではない。馴染みのない用語の大半は、無視していいものばかり。ゲーデルとか、アリストテレスとかね。 そういうのはただの、インテリの符牒だから気にしなくていい。「アリストテレス云々」というのは、古来の正統派学問の伝統でずっと、という意味でしかない。

    ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』アンチョコ - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • レッシグ新刊で知ったアメリカ政治二極化の力学 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    久しぶりにレッシグの翻訳をしているんだけれど、なかなかおもしろい(部分もある)。 かつてのインターネット法や著作権法からレッシグの関心は大きく逸れて、ここしばらくのレッシグのは、アメリカの選挙献金制度の改革がテーマになっていた。何度か、翻訳の打診もきたし相談も受けたんだけれど、話があまりにアメリカの選挙制度に偏りすぎで、翻訳しても日人が関心持ちようがないと判断したので、申し訳ないんだがずっと見送りを奨めていた。 さらにその後、レッシグ自身が大統領選に出馬とかして、人的には真面目なんだろうけれど、端から見るとスタンドプレーにしか思えないことをやったりしたため、言っては悪いんだが、キワモノ的な雰囲気が高まっていたこともあって、もう最近のやつは読んでもいなかった。 それが、まあいろいろあって最新作を訳すことになって手をつけ始めている。おおむね関心は変わっておらず、アメリカ政治の根的な改革

    レッシグ新刊で知ったアメリカ政治二極化の力学 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
  • ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』(1982) 改訳終わった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    はい、コロナ戒厳令開始前に、サイモン『意思決定と合理性』の改訳を始めました。 cruel.hatenablog.com で、終わった。まあ読みなさい。 ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』(1982) pdf版 ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』(1982) epub版 右クリックでダウンロード 読者のみんなは、ぼくに深く感謝するがよいのだ。これはそれだけの価値がある、すごいだからだ。 この短いに収められた叡智のすごさは、ちょっと比類がない。第1章は、彼の限定合理性理論のまとめであると同時に、自分でその限界をバシバシ指摘したおっかない部分。2章は、進化論について一般人の知るべき事を、とんでもなく高度な話まで含めて網羅している。第3章では、1982年の時点で地球温暖化の話にすでに目配りしてあるのに驚くし、また最後に出てくる、各種経済学派のちがいは唯一、期待形成の

    ハーバート・A・サイモン『人間活動における理性』(1982) 改訳終わった。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2020/09/23
  • 125-250cc 中古バイク:廃車再登録 (2020) - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    前振り 先日、まったくの思いつきで、人生のやり残し処理の一環としてバイクを買ったのだよ。中型免許(普通二輪免許) は大学時代に取得していたんだけれど、当時はお金がなくて、教習所に通ったらバイクが買えず、そのままあれやこれやで、一度も乗ることなしにはや30年。 それが先日、知り合いがバイク免許を取ろうとして教習所がコロナ閉鎖でかなわんとグチっていたのを見て、ぼくも乗ってみようかな、とふと思い立った次第。最初はあまりお金をかける気もないし、峠を攻めたりする気もないし、ランニングコストが安くてフラットに走れればいいよ、ということで、ヤフオクで手に入れたのが、このYBR250。 YBR250 中華ヤマハのバイクで、セローのエンジンを元にしてて燃費がやたらによく、しかもタンクがでかくて永遠にガソリンスタンドに行かなくていい。YSP購入品だから、部品供給のリスクもあまりなさそう。さらに走行距離わずか4

    125-250cc 中古バイク:廃車再登録 (2020) - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2020/06/08