ブックマーク / cruel.hatenablog.com (124)

  • 幸福の遺伝子、または喜びの伝達物質 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    The genetics of happiness, transporter of delight, The Economist, 2011/10/15 人の個性は白紙であり、経験だけででそれが決まるという発想は、二十世紀後半のほとんどの期間で主流となっていた。だが過去二十年ほどで、その発想は否定されつつある。一卵性双生児と二卵性双生児を比べる調査で、行動のかなりの部分が遺伝に左右されることが示されたし、DNA分析でその原因となる遺伝子もある程度わかった。この両方向からの研究で、幸福もかなり遺伝する率が高いことが示唆されている。 人間ならだれでも知っているように、人が幸福か不幸かを決める要因は様々だ。外部状況は重要だ。仕事のある人のほうが失業者よりは幸福だし、豊かな人のほうが貧しい人より幸福だ。年齢も効く。若者と高齢者は中年より幸福だ。でも最大の決定要因は性格だ。外向的な人は内向的な人より

    幸福の遺伝子、または喜びの伝達物質 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    maeda_a
    maeda_a 2011/11/12
    幸福の定義って難しい。「人が幸福な状態」と、その時に感じる「幸福感」という感覚は区別しないと、という話なのかなあ。
  • わけもわからず:ナサーの経済学史は、「学」のないただの経済学者評伝である - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    Grand Pursuit: The Story of Economic Genius 作者:Nasar, Sylvia発売日: 2011/09/13メディア: ハードカバー Working in the Dark (The New Republic, 2011.09.30) ロバート・ソローによるシルヴィア・ナサー「The Grand Pursuit (大いなる探求)」書評、翻訳 山形浩生 書を読み始めたときには、これが何についてのなのかわかっているつもりだったけれど、読み終わる頃にはなんだか自信がなくなってきた。プロローグは、チャールズ・ディケンズによるロンドンの悲惨な貧困についての観察や描写から始まる。そしてそれが自然に、当時の政治経済学での唯一の説明として古典的なマルサスの罠の話に移る。つまり、全体としての生活水準が少しでも上がればそれは人口増で相殺されるので、禁欲生活を奨励す

    わけもわからず:ナサーの経済学史は、「学」のないただの経済学者評伝である - 山形浩生の「経済のトリセツ」
    maeda_a
    maeda_a 2011/10/06
    「1930年代に生まれたケインズ経済学が、なぜ今日劇的に重要性を高めているか」「ケインズを「大きな政府」と慢性的な財政赤字の支持者として描き出すのは、下品なまちがいだ」
  • ケインズ「一般理論」間宮陽介訳(岩波文庫):古い、英語知らない、原文勝手に改ざん。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫) 作者: ケインズ,間宮陽介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/01/16メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 296回この商品を含むブログ (54件) を見る 見るまでもないと思っていたが、行きがけの駄賃。目を通し始めたが、ふ、古くさい! かたい! 「泥んでいる」(p.xiii) って、ぼくは読めなかったぞ(「なずんでいる」と読むんだって。原文は wedded)。あと第一章で「a limiting point of the possible positions of equilibrium.」となっているlimiting を、極限と訳すのは変じゃないかなあ (p.5)。 と、少し????マークが頭に浮かび始める。で、パラパラめくるうちに目についたもの。p.317 に対する訳注で 「原文は the power of disp

    ケインズ「一般理論」間宮陽介訳(岩波文庫):古い、英語知らない、原文勝手に改ざん。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2011/09/01
  • ディレーニ『ダールグレン』:長いだけが取り柄のナルシスティックな本。誰も読まないことで得をしている。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」

    ダールグレン(1) (未来の文学) 作者:サミュエル・R・ディレイニー国書刊行会Amazonダールグレン(2) (未来の文学) 作者:サミュエル・R・ディレイニー国書刊行会Amazon 長ったらしくてみんな読んでないから、問題作とか話題作とか野心的なナントカとか言うだけで逃げるけれど、著者がいろいろ試してみたくて、こっちでは引っ越しリアリズム追求したり、あっちではコミューン生活記録を使い回ししたり、向こうではエロ追求してみたりしてあれこれ詰め込んで収拾がつかなくなった話。出た当初は長いのが売りで、SFスキャナーでは「背表紙に表紙の縮小版が入る!」なんてことが話題になったが、今ではそのくらいでだれも驚かない。 ディレーニの長編作品の多くは、かなり露骨に自分自身を主人公に据える。だから小説としての技巧や設定、ストーリー展開のおもしろさの一方で、ディレーニが己のナルシズムをどこまで抑えられるかが

    ディレーニ『ダールグレン』:長いだけが取り柄のナルシスティックな本。誰も読まないことで得をしている。 - 山形浩生の「経済のトリセツ」
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    maeda_a 2011/07/16