量的緩和政策とその解除については、相変わらずメディアでの言及も多いし、私も(私は、いわゆる「エコノミスト」ではないのだが)見解を求められることがある。また、このテーマに関しては、楽天証券で、秘書的な仕事をしてくれているTさんが、雑誌の記事などをピックアップしてくれるので、しばしば他人の見解を見るのだが、最近のもので面白かったのは、「週刊エコノミスト」4月18日号の伊藤隆敏氏と香西泰氏のご意見の相違だ。 伊藤隆敏氏は、01年3月以降、日銀が大量に資金供給したのにインフレにならなかった理由として、それだけデフレ期待が強かったからだとして、もっと早く日銀がETFやREITなどを大胆に買うべきだったと言っておられる。しかし、貸し出しが伸びなかったのは事実だと認めた上で、だからと言って「量的緩和政策を実行しても意味がない」ということにはならないと述べておられて、それは「期待に働きかけた効果が大きいか