漢! 漢字の「漢」と書いて、「おとこ」とルビをふっているのを、目にしたことがあるだろう。 最近では、なぜか、食べ物の男らしさ(大盛りやこってり味)、奇抜なさま(なぜか豊橋駅の一日駅長をお菓子のブラックサンダーを務めたこと)、男臭いアイテム(ふんどしなど)、その守備範囲がどんどん広がって、そもそもの指す意味が曖昧になってきているほどだ。 現在では、単に男らしいのではなく、過剰に雄々しいさまや、潔さを指して昨今では使われることが多いが、「漢」とは、意味は「男の中の男」とでも言おうか。豪快で、広い器を持つ、真のヒーロー……そんな人物を「漢」と書いて「おとこ」と呼ぶ。 だが、ここでふと思う。なんで、「漢」は「おとこ」って読むようになったのか? ルーツは一体どこにあるのだろうか。 少し時代を遡ってみると、「漢」を描いた物語は黒澤明『椿三十郎』や勝新太郎『座頭市』、吉川英治『宮本武蔵』などを筆頭に、