「朝日が報じた内容とは逆にしたい」 官邸担当記者によれば、安倍晋三首相(63)はこう漏らしたという。発言のきっかけは、朝日新聞10月20日付朝刊の1面トップ記事の見出しだった。 <天皇陛下退位19年3月末 即位・新元号4月1日 政府最終調整> 1カ月後、スクープは潰える。11月21日、NHKが夜7時のニュースで<退位 再来年4月30日か3月31日の2案に>と報じた。さらに翌22日、首相に近い論調の読売新聞、産経新聞は1面トップで、「4月末退位、5月改元」という記事を掲載した。朝日は1面とはいえ、左隅という地味な扱いだった。 だがじつは、朝日の報じた「3月末退位、4月改元」で調整が進んでいた。 「もともと官邸は、『12月末退位、1月改元』を宮内庁に示していた。ところが、年末年始は宮中行事が多いうえ、2019年1月7日には昭和天皇逝去30年の式年祭がある。美智子さまは『式年祭には、陛下が在位の