◇20年後見据え若者政策を 「2030年問題」をご存じだろうか。たぶんどなたもご存じないはずだ。私が考えた問題だから。冗談はともかく、このところこの問題が、ずっと心にひっかかっている。 かつて本欄で、ひきこもりやニートの若者たちの間で、急速に高年齢化が進みつつあることを述べた。厚生労働省ひきこもり研究班の調査の一環として、私が調べたところでは、現在ひきこもりの若者の平均年齢はすでに30歳を超えつつある。ひきこもりが20年以上に及ぶような超長期化事例や、就職後にひきこもるケースが増えたことなどが原因と思われる。 このうち、40代なかばを過ぎた「ひきこもり第1世代」の人々が、少なく見積もっても10万人以上は存在する。「2030年問題」は、彼らの存在とかかわりが深い。 2030年、つまり今からおよそ20年後に、彼らの多くが65歳になる。つまり、老齢年金受給年齢を迎えるのだ。これが何を意味するか。