猟奇的な印象のタイトルとは裏腹に、とっても青春している小説です。 膵臓の病気で余命1年という高校生の少女「桜良(さくら)」と同級生の「僕」の物語って書くと、ありがちな設定のお涙頂戴闘病ストーリーかと思うでしょ? それがぜ〜んぜん違うんだなあ。 君の膵臓をたべたい 作者: 住野よる 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2015/06/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 病気と死を取り上げながら、表面的には湿っぽさなんて欠片もないストーリー展開。 それを魅力的にしているのは、なんといっても桜良と僕のしつこいくらい軽妙なやりとりの数々。 例えば半ば強引に桜良に連れて行かれた焼肉屋での会話。 「話を戻すけど、これからは?」 「あー、話題を変えたー。さては泣いているな?これから私はロープを買いにいくよ」 「泣いてねーよ。ロープって」 「お、君も男の子っぽい言葉遣いする