ボンズを輝かせるための大舞台だったが… 第78回オールスターゲームは、地元サンフランシスコのヒーロー、バリー・ボンズを輝かせるための大舞台になるはずだった。依然として続く薬物疑惑の中でメジャー通算ホームラン記録の755本まで4本に迫った42歳は、記念の一発を期待する熱狂的で温かいスタンディングオベーションで迎えられた。 試合が始まると、ナショナルリーグの4番に座った3年ぶり出場のケン・グリフィーが、先制打を放ち、守備ではライトからの好返球でアレックス・ロドリゲスを本塁寸前で刺して復活をアピールする大活躍。その時点までのMVPは誰が見ても、この37歳だった。 2大スーパースターから主役を奪ったイチロー ところがイチローは、一流メジャーリーガーを父に持つ、その2人のスーパースターの“ショー”を軽やかに奪い取ったのである。 マウンドにそびえ立つような2メートルを超えるクリス・ヤングの真ん中や