日本中央競馬会(JRA)の調教場「美浦トレーニング・センター」(茨城県美浦村)の北馬場自由飛越場で3日午前6時35分ごろ、同村沖津の調教師、蛯名信広さん(56)が調教中の競走馬に胸をけられ、病院に運ばれたが心肺停止で間もなく死亡した。 稲敷署の調べでは、蛯名さんが歩いてロープを引きながら3歳のオスの競走馬を調教中、「クロス障害」と呼ばれる幅3メートル、高さ50センチほどの障害物を馬が飛ばずに立ち止まった。このためロープで馬を打ったところ、馬が暴れ出し、後ろ脚でけられたという。馬に乗っていた男性(25)にはけがはなかった。 蛯名さんは8カ月前からこの馬を担当していたが、暴れたことはなく、障害物も問題なく飛んでいたという。蛯名さんは騎手を経て94年から調教師として活動していた。 JRAによると、89年以降、同センターで馬の世話をする厩務員(きゅうむいん)や騎乗する調教助手が死亡した事故は