4月9日、米ノースカロライナ州のデューク大学構内で、王千源さん(手前後ろ姿)を囲み、ののしる中国人学生ら=学内紙デューク・クロニクル提供(c)Zachary Tracer The Duke Chronicle 【ダーラム(米ノースカロライナ州)=山本秀也】米南部の名門デューク大学で、チベット問題をめぐる学内対立の回避を呼びかけた中国人女子学生、王千源さん(20)が、学内の留学生を含む中国人社会から脅迫や嫌がらせを受けている。北京五輪の聖火リレーとともに世界で注目を浴びた“赤い愛国主義”は、なぜ同胞を標的に暴走したのか。現場から報告する。 学内の寄宿舎で王さんが開いたパソコンには、数え切れない脅迫や嫌がらせのメールが記録されていた。「グリーンカード(米永住権)が欲しくてここまで落ちたか」「民族敗類」(民族の面汚し)といった王さんへの罵倒(ばとう)は、掲示板への書き込みを加えれば、サイバー空間