北陸先端科学技術大学院大学 知識科学研究科 梅本研究室 Japan Advanced Institute of Science and Technology. School of Knowledge Science, Umemoto Lab. 1.はじめに 1990年代は、企業の競争優位の源泉としての知識への関心が、世界中で著しく高まった10年であった。アメリカのコンファレンス・ボードの調査によれば、現在、世界の多国籍大企業の80パーセントが、何らかの形でナレッジ・マネジメントのプロジェクトを実施しているそうである。 最近、ナレッジ・マネジメントは、このままでも通じるようになってきたが、日本語としては「知識管理」と「知識経営」の二つの訳が可能である。前者が、単なる既存の知識の管理を意味しているのに対して、野中・紺野 [野中99] によって人口に膾炙し始めた後者は、前者のレベルを超えて、「知