「無理やり」にでも高齢者に笑ってもらうことで笑いの回数が増え、それが認知症の予防につながる可能性がある―。阪大大学院医学系研究科公衆衛生学の大平哲也准教授は、高齢者らを対象に行った笑いと健康に関する研究に基づいてこう提言している。無理やりにでも笑うことに果たして効果があるのか、また、笑いがなぜ認知症予防につながるのか、大平准教授に聞いた。 「高齢者が『無理やり』でも笑うことが、認知症予防につながる可能性がある」と話す阪大大学院の大平哲也准教授 ―そもそも「無理やり」にでも笑う必要があるのでしょうか。 「笑う」という行動は、できるのが当たり前だと思われるかもしれませんが、実は、耳で聞いたことを脳内で一瞬にして理解するなど、高度な認知機能が要求されるものなのです。しかし、高齢者の中には認知機能が低下してしまい、笑う機会が少なくなっている人もいます。ですから、そういう方にもどんどん笑いの機会を