盗撮目的の女子トイレ侵入容疑で逮捕、勾留された司法修習生が釈放されたことが話題になっており、その人が、当初は自白したものの、その後否認に転じたことについても論じられている。 その関係で、私の経験を紹介しておきたい。恥ずかしい話なので、今まで、ほとんど他人には話していなかったことである。 検事になって数年たち、まだまだ若手ながら、自分なりに自信のようなものがついてきた頃だった。ある共犯事件で、逮捕、勾留された共犯者の1人を取り調べていた。その被疑者が、ある場所に行ったかどうかが重要性を帯びており、私は、別の共犯者の供述(一緒に行ったと明言)もあったので、「行った」と見ていたが、その被疑者は、「行っていない」と強く否認していた。 その後、徹底的に追及し、違法なことはしないものの、相当厳しく取り調べ、その被疑者は、「行きました」と自白し、その内容の供述調書も作成した。 ところが、である。 この事
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